ペダリングの科学

アメリカ・オリンピック・トレーニング・センターのスポーツ科学技術部門が、選手の能力を正確に計測できるバイオメカニクス(生体力学)テストを取り入れたプログラムを開始した。
1991年にはUCLAが開発した二重圧電力ペダルが導入された。このハイテクペダルは、ペダル表面の左右方向、前後方向に加えられた力と、シューズとペダル間に発生したあらゆるトルクを測定することが出来た。
このハイテクペダルによって、ペダリングに置ける引き足がそれほど効果的でないことが明らかになっている。
反対側の足のダウンストロークの方がずっとパワフルで、アップストローク中の足をはねあげてしまうからだ。 
『エリート選手がケイデンス100で行なったテストでは、ペダリングパワーの殆どはペダルストロークの前半分、いわゆるダウンストローク中に得られることが分かった』
『アップストローク中はクランクの回転とは反対方向に力が加わる。つまりペダルを引き上げているのに実際には踏み下ろす方向に力が働いている。』
つまり科学的な数値測定結果は真円のようにペダリングするという概念は相容れない。
だが、データによれば真円のようにペダリングしているように見える時は、実際に見た目通りの均等なペダリングをしているのだ。
パワーがピークに達するのはペダルが水平になった時、反対にパワーが最も小さくなるのはクランクが垂直に来た時だ。
ペダリング技術の向上には、固定ギアの自転車が使えるなら利用しない手はないだろう。
脚を止め惰性で走ることが出来ず、脚をペダルの円運動全周にわたって動かさなければならないからだ。
是非とも活用してみたい。